あれからフライトはキャンセルにならずに、そのまま飛び立った。
何回も同じ空港を行ったり来たりを繰り返していたら、感動も薄れるかもしれんが、やはり空港内まで来てしまうと、ほんの数時間前までいた自分の空間が遠く感じる。
フライトが数回に渡りキャンセルになるなど、人生で初めての出来事だった。
PEIやキティ丸に行くなと言われたのだろうか。
3度めの正直とでも言おうかやはり今回ばかりは滞在延長をさせてくれなかったようだ。
仕方がない、と言えばそれまでかも知れない。自分の滞在期間は終わった。だから帰らなければならない。
抗った。後悔はない。そんなわけはない。
人はその人にとって最良の場所を探すべきだし行くべきだと思う。
遠い海を越えて、帰国に至る。
俺は来年PEIに帰ると決めた。
Chapter Ⅳ
第4章 ~キティ丸を探して~
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